7月7日七夕の朝5時、二度寝してしまいそうな時間だが、今日は何故か目覚めが良い。「そうだ、旅に行こう!」
どこに行くとも決めぬまま、とりあえず青森駅へ。世間では「暑い暑い」と悲鳴をあげているが、この日の最低気温は15.7度(気象庁発表・青森市)。自転車で顔を切る風がひんやり冷たい。
青森駅に着くと、6時4分発蟹田行の普通列車の存在が目に飛び込んだ(下の写真)。「龍飛に行こう」と心に決めた。
感動の一日の幕開けである。
私自身、龍飛に行くのは2度目だが、前回は1時間くらいしかいられなかった。今日はそのリベンジになる。 |
 蟹田行の普通列車は、特急型の485系と呼ばれる車両を使用していた。早朝の下り列車だけあって車内はガラガラ。6両編成の1両を自分ひとりで占領してしまった。蟹田に到着すると今度は三厩行に乗換となる。(←蟹田駅にて。左の列車から右のに乗換)
蟹田からの普通列車は2両編成の気動車。駅に着くたびに地元の高校生が乗り込んで、車内が賑やかになる。今別駅を過ぎると進行方向右手に津軽海峡が見えてくる。「おっとあれは!」 珍しいことではないとは思うが、北海道の稜線がくっきりと見えた。三厩駅到着は7時56分。 |
三厩から約40分で龍飛。駅前からのバスに乗車、のはずが何故かスクールバスの文字。運転手に確認すると、バスを民間から村営にして運賃を200円均一にしたそうだ。バス離れにどれだけ歯止めがかけられるか。
バスは、中年男性と、中年女性の3人を乗せて走る。聞くと、男性は仙台から龍飛まで観光に、女性は龍飛崎のレストハウスを経営しているそうだ。車内で意気投合して観光や美味しいものの情報をGET。運転手も普段通らない太宰治の歌碑までバスを走らせてくれて案内してくれた。このあとしばらくその男性と行動を共にすることにする。 |
バスを降りた瞬間「寒い」と漏らす。お互いの声が聞きとりにくいほどの強風が吹いている。さすが「風の町」だけはある。まず「青函トンネル記念館」へ。9時の開館と同時に入ったので一番乗り。しばらく展示や映画を見学し、体験坑道へ下りるケーブルカーの時間を待つ。ケーブルカーは海面下140mまで778mの距離で一気に下る。もともと観光用ではなかったので、揺れが非常に気になる。体験坑道駅に着くとガイドさんが先導して案内してくれた。約25分間、作業坑の雰囲気と展示物を見学し、再びケーブルカーで地上へ。そのまま記念館をあとにする。
ちなみに「青函トンネル記念館」の公式ページはこちら
http://seikan-tunnel-museum.com/ |
 外は相変わらず強い風で肌寒さを感じる。男性も私も朝食抜きで来たのでかなり腹が減っていた。そこで、バスで知り合った女性のいる龍飛崎のレストハウスに行く。途中「津軽海峡冬景色」の碑の前では、団体客の大合唱が行われていた。「♪ごらんあれが龍飛岬北の外れとぉ〜」と不思議とアカペラでも口ずさめるから、龍飛の知名度はこの曲のお陰と言っていいかもしれない。
レストハウスに着いた僕らは、とにかく「生ウニ丼」を注文。地元三厩村の海でその日に捕れたばかりの新鮮なウニ。それを水洗いだけで何の加工もしない状態で食べられるのは、ごく限られた人だけだと言う。絶品中の絶品を食し、大満足で至福のひとときを味わった。 |
 レストハウスをあとにし、次に龍飛崎の灯台に行く。背の低い高山植物?がきれいに地面を彩っている。海は風のせいか潮のせいか、あちこちで白波が立っている。
そう言えば、津軽海峡は日本三大潮流の一つと言われている。しかし、日本には大畠瀬戸・伊良湖水道・早崎瀬戸・来島海峡・黒乃瀬戸などが日本三大潮流を名乗り、どれが本物だか分からない状態になっている。知っている人がいたら教えて欲しいと思う。(ちなみに鳴門海峡は「世界三大潮流」)
時間と共に天気がますます良くなった。遠く下北半島がくっきりと見え、仏ヶ浦と思われる岩肌まで見えた。お昼を過ぎて、さすがの龍飛もポカポカしてきた。 |
 次は全国で唯一という階段国道へ。何しろ当時の建設省の担当者が、現地に赴かず国道に指定してしまったのが事の発端と言うからおもしろい。今は龍飛の観光名所として完全に定着している。階段を途中まで降りたところで長くご一緒していた男性と別れる。観光タクシーで小泊に行くそうだ。
階段を下りると龍飛漁港。更に北に歩くと太宰治の碑がある。「ここは、本州の袋小路だ。読者も銘記せよ。・・・・・、そこにおいて諸君の路は全く尽きるのである(小説「津軽・外ケ浜」より)」 まさに最果てである。だが、更に北には龍飛裏海岸遊歩道があり、帰りのバスまで時間のある私は、あえてこの遊歩道を歩くことにした。(立入禁止の看板あり。歩道の上に落石の穴があり、また玉砂利・岩石の上を通らざるを得ない場所があり、あまりお薦めできない。) |
 北の果てにふさわしく、岩に打ち寄せる波は高く、また陸手の絶壁を見上げると可憐な花が短い夏を惜しむかのように一面に咲き乱れている。感動した。来て良かったと心から思った。
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